2022年2月20日午前10時40分ごろ。
千葉県旭市のショッピングセンター
「サンモール」で、立体駐車場の2階から車が転落した事故が発生しました。
なぜ転落事故が発生したのか?
どの立体駐車場から転落した?
転落した車の車種は?
車の安全装置は、機能していたのか?
転落事故を防ぐ方法は?
について、調査&考察しました。
なぜ、転落事故は発生したのか?
コチラが、千葉日報による速報です。
【速報 立体駐車場から車転落】20日午前10時40分ごろ、旭市の「ショッピングセンターサンモール」で「立体駐車場の2階から車が転落した」と110番通報がありました。車を運転していた女性は軽傷を負い、病院に搬送。https://t.co/1gvWgMXKam
— 千葉日報 (@chibanippo) February 20, 2022
千葉県旭署によると。
転落したのは、60代の女性ドライバー。
アクセルとブレーキを間違えた可能性があるとみて、調査中とのこと。
目撃者のツイートによると、救急車や消防車まで出動していたようです。
転落した車の画像を見ると。
車体の後方には傷や凹みがない様に見えます。
恐らく、バックではなく前進で転落。
転落する直前は、前向きに駐車していた?
Yahooニュースのコメント欄を見ると。
この駐車場も止めたことあるんだけど、車が落ちてる場所が、駐車枠がある場所じゃなくて駐車場内の通路が直角に曲がる場所なんだよな。
との書き込みもありました。
何より、ドライバーの方が軽傷だったのは、不幸中の幸いでした。
周囲の方々が巻き込まれなくて、本当に良かったと思います。
しかしまあ、立体駐車場の2階から転落して、よくぞ無事だったと思います。。。
駐車場ご利用案内
No. 場所 時間 ① 東側平面 08:00 ~ 01:00 ② 東側平面 08:00 ~ 01:00 ③ ジョイフル周辺
・障害者用 A・B08:00 ~ 01:00 ④ 南側立体/イオン食品側 1F
・高さ制限 1F:2.1m以下08:00 ~ 22:00 南側立体/イオン食品側 2F 10:00 ~ 22:00 ⑤ ダイソー脇 平面 10:00 ~ 22:00 ⑥ シネマ・タイトー入口 3F屋上
・障害者用 C・D・E・F
・高さ制限 スロープ:2.5m以下09:00 ~ 00:00 ⑦ 立体パーキング棟 3F~8F・屋上
・障害者用 1F・2F・3F 本館連絡通路
・高さ制限 2.1m以下09:00 ~ 21:00 参照先:
ショッピングセンターサンモール
http://www.sunmall.jp/blog/2008/02/post-85ce.html
Webで立体駐車場の情報を見ると・・
恐らく、事故発生場所は
④南側立体/イオン食品側2F
でしょうか?
他に立体駐車場の2Fがありません。
事故発生時間も、利用可能時刻内です。
事故がもっと高い建物で発生していたら・・
ゾッとしますね。
詳細は、今後の報告を待つしかなさそうです。
サンモール旭で転落した車種は?
では、本題。
事故の画像から検索した結果。
2017年/2018年に発売された
スズキ スペーシア ハイブリッドX
だと推定されました。
3:15付近で、後側のドアが確認できます。
恐らく、ほぼ間違いないかと思います。
このタイプの車が発売されたのは、
2017年12月。
ちなみにこの車、軽自動車です。
排気量は、658cc。
本来であれば、黄色ナンバーです。
速報の事故画像だと、車体ナンバー色は白。
恐らく、
ラグビーワールドカップ
東京2020五輪
を記念した、特別仕様のナンバープレート。
時期も2017年頃なので、車の発売時期とも重なります。
車両価格は?
価格.comによると。
スペーシア2017年モデル
HYBRID X
新車価格:152万円
中古車価格:73〜175万円
(2022年2月20日時点)
新車販売は、終了しているようです。
サンモール旭で転落した車の安全ブレーキ装置は、機能していた?
続いて、転落した車の安全装備について。
安全ブレーキ装置は、機能していたのか?
スペックを価格.comサイトで確認しました。
↓参照元↓
価格.comに掲載されたスズキスペーシアハイブリッドXのスペック
結論から申し上げると。
- 衝突被害軽減ブレーキ(AEB)は、搭載されていた
- 何らかの要因により、自動ブレーキが万全に機能しなかった
- 「急発進」を防ぐ装備は、未搭載
以上3点が、考えられました。
当該車の安全に関わる装置は、以下の通り。
【横滑り防止】
トラクションコントロールシステム
【衝突警告】
衝突被害軽減ブレーキ(AEB)
歩行者衝突回避システム
【運転支援】
クルーズコントロール(速度安定性向上)
レーンアシスト
駐車支援システム
衝突被害軽減ブレーキがあれば・・
前方に障害物があると、衝突を軽減するために自動ブレーキが働くはずですよね・・?
それでも、前方から転落したとしたら。
相当なパニックになって、アクセルを踏み続けたのでしょうか??
もしくは。
前方に障害物がない区画で、アクセルを踏み込んだ?
引き続き、調べてみると。
衝突被害軽減ブレーキは万能ではない
という、国土交通省の注意喚起動画が公開されていました。
規定以上の速度
暗闇
逆光
薄暗い夕方の雨
勾配12%の坂道
以上のような状況だと。
自動ブレーキが、効かない場合があります。
正しい動作を理解しないと、過信は禁物。
諸々を踏まえると。
今回の転落事故では、何らかの要因で自動ブレーキが機能しなかった可能性があります。
詳細は、今後の報道を待つしかなさそうです。
ちなみに、その他安全装置として。
プリテンショナーシートベルト
ISOFIX(アイソフィックス)
この2つが標準装備になっています。
まず、プリテンショナーベルトについては。
正面衝突などで車両前方から強い衝撃を受けたときに、装着したシートベルトを瞬時に巻き取り、乗員の拘束性能を高めます
出典先:日産自動車HP
https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVIOM/NOTE_SPECIAL/GAS/1612/PG/e12jc1-37429954-4564-4e08-b931-ba75d18bb6d9.html
前方からの衝撃を軽減するシートベルトです。
今回の事故は、2階からの転落。
事故の写真で見る限り、前方に衝撃が加わっている感じでした。
運転していた方が幸いにも軽傷で済んだのは。
エアバッグと併せて、このシステムが機能していた可能性が考えられます。
続いて、ISOFIX(アイソフィックス)。
コチラは、チャイルドシートをシートベルトを使わずに、固定するシステムでした。
事故とは、ほぼ関係ないと思われます。
アクセル踏み間違えによる転落事故を防ぐ方法は?
2018年度(財)交通事故総合分析センターの報告によると。
アクセルとブレーキの踏み間違い事故。
年間4,000件以上
も起きているとの報告があります。
内訳を見ると。
75歳以上の高齢者が、他の年齢層の2~5倍と高い割合となっています。
事故が起きやすい場所は?
サービスエリア
店舗の駐車場
とされています。
今回の事故も、起きやすい場所で発生。
また、アクセル踏み間違え事故は。
ドライバーだけでなく、周囲の歩行者も事故に巻き込まれる危険性があります。
日本は高齢化社会。
今後、よりリスクが高まるでしょう。
そこで。
アクセル踏み間違え事故を防ぐ方法について、調査&考察しました。
2021年以降の新型日本車を購入
まずは、
最新の新型日本車を購入する
という考え方です。
繰り返しですが、
自動ブレーキの正式名称は。
衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)
と呼ばれています。
障害物や人間などを察知して、衝突を回避するシステムです。
国土交通省より、2021年11月から国内で販売する自動車に、搭載が義務化されています。
自動ブレーキ義務化の開始時期は、新型車かどうか、輸入車かどうかによっても異なります。
詳細は以下の通りです。
国産車 | 輸入車 | |
新型車 | 2021年11月 | 2024年7月 |
継続生産車※ | 2025年12月 | 2026年7月 |
※軽トラックは、2027年9月より開始
↓参照先↓
NISSEN LIFEのサイトより
確実に、自動ブレーキ搭載の車両に乗るには。
2021年11月以降に生産された、国産の新型車を購入するしか方法がなさそうです。
とはいえ、先述の通り。
今回転落した車種には、自動ブレーキは搭載されていた可能性が高いです。
それでも防げなかったとすると・・・
他の安全装置も必要になってきます。
急発進防止の装置を取り付ける
すぐに新車を買えない場合。
自動ブレーキとは異なりますが、
急発進防止の装置を後付け可能です。
国土交通省が、
後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置
として認定しています。
ヒューマンエラーを未然に防止する装置です。
カー用品店Yellow Hatでは。
S-DRIVE
という商品名で販売されています。
本体価格:27,830円
装着&配線:5,170円
取付工賃:8,800円
合計:41,800円
(全て税込)
- 本製品は、アクセルペダルの誤操作(低速時の急踏み・ベタ踏み)に対して、アクセルのセンサーを制御し、誤踏みによる急発進を抑止します。
- 運転者一人一人異なるペダルの踏み込み方を学習する機能を搭載することで、運転者に合わせた踏み込み方で作動します。
参照先:
SUN AUTOMOBILE サイト
https://www.sun-auto.co.jp/products/safety-security-stability/s-drive/s-drive-system
高齢者の方が運転する車に義務化して取り付けると、リスクは格段に減らせるハズ。
この値段なら。
事故が起きた時の賠償金を思えば、安い出費のように思います。
自治体から補助金などを出せば、より普及するでしょう。
踏み間違えを防ぐ、他の方法は?
Twitterには。
マニュアル車であれば、踏み間違いは相当数減らせるのでは?
という意見もありました。
私は個人的にマニュアル車であれば踏み間違いは相当数減らせると思う。
— 日本写真家 YAG🐈@コロナ奮闘中モード (@YAGphoto) February 20, 2022
またエンジンブレーキが効きやすいので停車中後方からのギリギリまで車速落とさず直前のカックンブレーキによる恐怖も低減できる等メリットは大きいかと。要は車の事を知らないと上手な運転はできない。 https://t.co/e1zOLGwttm
確かに、おっしゃる通りですね。
ただ、マニュアル車は、クラッチもあります。
踏み間違えの大きな原因は、注意力が散漫になったことによる思い違いです。
マニュアル車とはいえ、踏み間違えると、リスクゼロと言い切れません。
それに。
日本では、大半がオートマチック車。
全てをマニュアル車に切り替える事は、現実的ではありません。
装置で対応する事も、もちろん大切ですが。
運転するドライバーとしても。
車の仕組みをキチンと理解し、運転に気を付けるしかありません。
オートマチック車を発進する場合は、クリープ現象を利用する
といった継続的な啓蒙活動が、必要だとも感じます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
車のペダル踏み間違えによる事故は、今後も注意が必要ですね。
とはいえ。
地方では、車は生活必需品。
安易に高齢者の方から運転免許を取り上げる事は、できません。
また、高齢者に限らず。
人は必ずミスをする生き物。
啓蒙活動にも、限界があります。
諸々を踏まえると。
現時点で最も現実的で有効なのは、後付けの急発進防止装置だと考えます。
特に、高齢者のご家族がいらっしゃる方は。
このニュースを機会に、後付け装置の設置を改めて検討してみるのも良いかもしれません。
自動ブレーキへの過信も禁物ですね。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました