2022年2月11日、6名の死亡火災事故を起こした三幸製菓。
その後、書面での報告や遺族説明会を開いたものの。
事件発生後、3ヶ月経過しても記者会見をしていませんでした。
新潟県の花角英世知事も。
大きな事故を起こした以上
企業としての説明責任は当然ある
としている中。
2022年5月31日午後16時〜
佐藤CEOより記者会見がありました。
2022年5月27日になって、
ようやく記者会見を開く方針を固めた事に対して。
そんな怒りの声も上がっています。
これまで、ご遺族やBSN新潟放送の司法記者クラブから記者会見を求めても。
検討させてもらいたい
という返答にとどめていた、三幸製菓。
なぜ記者会見しない対応だったのか?
以下、調査&考察しました。
三幸製菓が記者会見しない理由は?
三幸製菓の見解「説明したと思い込み」
1つめの理由は、「会社の思い込み」です。
2022年5月3日、新潟テレビ21の記事では。
同年4月29日に三幸製菓が開いた、遺族への説明会にて。
- 5月中旬以降に順次再開ということで、皆様にご説明したつもりだった
- しかし、報道を見て勝手な思い込みで説明が全く不十分だったと知った
報道取材に対しては、
- 遺族に対しては生産再開について直近に説明した
と答えています。
記者会見の際も、同じ主旨の回答でした。
会社側としては、説明したつもり
遺族側は、説明されていない
ということは?
明らかに会社側の説明が不十分ですね
確かに、三幸製菓は。
トラブル対応の進捗や発生経緯について、
これまでに書面で5回報告しています。
直近の2022年4月21日には、生産再開に向けた取り組み状況について発表しています。
タイミングは、遺族説明会の前です。
↓参照先↓
当社新川工場での火災についてのお詫び
これだけで、「説明したつもり」になっているとしたら?
かなり、タチが悪い思い込みですね。
ご遺族には個別に対応しているとしても。
ご遺族としては。
記者会見も開かずに
報告書1枚で済ませて再開するのか?
そんなお気持ちになるのは、良く良く理解できます。
このまま再開されても、到底納得できないでしょう。
「記者会見を開くな」と指示した助言者は、一体誰?
続いては。
外部の専門家や弁護士から、
記者会見は、まだやめておいた方が良い
と、アドバイスを受けている可能性です。
実際に、佐藤元保CEOが。
助言者から会見は開くなと言われたので、できない
と返答したとの新聞記事がありました。
そもそも、この説明では。
ご遺族は、到底納得できないでしょう。
2022年2月16日に発表された、三幸製菓の報告書では。
外部専門家を交えて、対策検討を進めているとの記述がありました。
今回の火災による被害の状況を重く受け止め、当社としては消防署その他関係省庁からのご指導 対応は当然のこと、外部専門家を交えて事故原因分析と対策検討を進めてまいります。 二度とこのような災害を起こさぬよう、十分な再発防止策を打った上で安全性の確認が取れるまで 荒川工場を含めた、全工場の生産を停止することを決定いたしました
ほとんどの企業は、顧問弁護士や産業医といった、外部の専門家と契約しています。
三幸製菓にもおいても、顧問弁護士がいるでしょう。
普段いないとしても、スポットで相談はしているはず。
今回の騒動を踏まえ、安全対策はもちろんの事。
法的措置などについても、顧問弁護士に相談しているでしょう。
その中で、
記者会見はまだ早い
むしろ状況を悪化させる
その代わり書面できちんと報告しよう
といったやりとりが発生している可能性です。
記者会見で説明する準備ができていない?
4月21日に発表された、報告書には。
- 亡くなった従業員の遺族と負傷した従業員と家族への謝罪
- 火災の原因が現時点で捜査当局においても1つに特定されていない
- 一部従業員を避難訓練に参加未了のまま業務に従事させていた事実
- 再発防止に向けた改善施策の取り組み状況
- 総合安全基本方針の設定、「総合安全品質保証室」の新設
- 生産、出荷、販売の再開(5月中旬以降より生産開始、6月頃より出荷)
- 現時点で想定しうる限りの事故原因について対策を実施した
- 生産再開後も調査と検討は継続し、新たな事実が判明した際は、都度必要な制策を実施する予定
- 事故を風化させないための取り組み
といった内容が記載されています。
一見、きちんとした報告に見えますが。
- 捜査当局が原因を特定していないのに、なぜそのまま再開するのか?
- 対策できていない新たな事実が原因で火災が再発したらどうするのか?
という説明がありません。
全てを説明するには、書面だけでは不十分な部分もあるでしょう。
で、あれば。
記者会見を開いて、口頭で伝える流れが妥当。
それでも記者会見を開けていないのは?
記者会見の説明準備ができていない
という解釈に行き着きます。
「分かりません」という説明で
状況がさらに悪化することを防ぎたい
そんな意図も感じます。
(あくまでも考察です)
そもそも。
既存工場を全て取り壊して
万全の防火体制を整えた工場を新設
という説明なら、まだ納得感はありますが。
2022年5月3日、報道各社への書面回答では。
火災が起きた建物について、今後、稼働させることはなく、警察から許可を得たうえで遺族に伝え、解体する方針を明らかにしています。
これで本当に大丈夫なの?
他の建屋は問題ないの?
と感じる方も、多くいらっしゃるでしょう。
社内の声がトップに届いていない?
三幸製菓は、一族経営の会社です。
従業員数:1392名
(2021年2月末時点)
米菓業界2位の規模です。
現在の代表取締役社長は、3代目の佐藤元保CEO。
カリスマ経営者と呼ばれ、初代社長である佐藤富一郎氏の次男です。
長男の佐藤裕紀氏が、2代目社長です。
佐藤裕紀氏が三幸製菓の社長を勤めていた時の口コミには。
- 前社長で会長の佐藤富一郎氏よりは、社員とコミュニケーションが取れているかもしれません
- 同族経営の2代目だと、お山の大将になりがちな人が多いが、全然そんなことはない
- 末端新入社員まで気さくに話をしてくれる人格的にも優れた方
といったコメントがありました。
(2014年、2011年の情報です)
逆に考えると?
佐藤富一郎氏は、相当なワンマン経営者だったことが伺えます。
↓参照先↓
転職会議サイト「三幸製菓株式会社」社長の魅力・評価の口コミ
2019年には、佐藤富一郎氏は会長を退任しています。
1937年生まれの84歳。
形式上、代表権は譲渡していますが。
実質は、経営にも今も関与しているのでは?
そう考えると。
三幸製菓の経営陣にとっては。
今の状況は、会社の命運を左右する有事です。
社内的には、創業者である佐藤富一郎氏の意向を踏まえる動きもゼロではないでしょう。
「会見は開くな」と助言したのは、創業者の可能性も?
ワタクシ、一族経営の会社で勤めていた経験があります。
全ての一族経営の会社がそうだとは思いませんが。
そうなってくると、社内で働く従業員の方としては。
記者会見をやった方が良いですよ
と、進言したい思いはあったとしても。
声を(届けたくても)届けられない状況があった可能性を想像してしまいます。
2021年3月26日、FM新潟のYouTube配信。
現社長の佐藤元保CEOは、コロナ禍で頑張る若者に向けて。
ピンチはチャンス
と語りかけています。
今、自社が猛烈なピンチですね。
チャンスに変えることは、相当困難でしょう。
三幸製菓の事後対応に不信感と再開心配の声が続出|もう買えなくなる?
以下、ネットでの声を集めました。
- 自社工場で自社の過失で自社の従業員やバイトが6人も死んで、それで社長や役員が会見ひとつやらなかった企業って今まであったか?
- これ働いてる人には気の毒だけど、このまま再稼働はダメでしょ
- 最低でも経営陣の総入れ換えは必要
- 6人焼き殺したのに業務停止命令どころかたった3ヶ月で再稼働?許可出した県市町は狂ってる
- こういう会社はほっとけば潰れるよ
- 世の中そんなに甘くない
- 正解なんだろうけど不誠実かもな
- こんなとこの製品買う気おきんわ
- 不買運動もんじゃねえかこれ?
- 企業への懲罰的損害賠償の導入とか被告が企業の裁判における裁判員制度の実施とか真面目にやったほうがいいだろ
- とりあえずその場を取り繕って、あとは音沙汰なしで時間が過ぎるまで無視してればみんな忘れるとか舐めすぎだろ
- 小売店や食品卸とかここと取引しないで欲しい
- 亀田より三幸製菓派だったが敬遠しちゃう
- 沈黙が最強って気付いたか
- 何言っても炎上だから黙ってた方が良い
ごもっともな声が、多数です。
中には、
あえて黙ってる?
という見方もありました。
トラブルの事後対応次第でも、企業のイメージが大きく変わる実例になりましたね。
火災発生直後に、記者会見をしておけば。
少なくともこんな事態には、なっていなかったでしょう。
↓参照先↓
2Ch→三幸製菓「遺族対応を最優先するため記者会見しない」→遺族「三幸製菓は遺族に何の説明もなく工場再稼働とか言い出した」
まとめ
いかがでしたでしょうか?
記者会見をしない三幸製菓の対応について、
調査&考察しました。
少なくとも。
そういう企業体質
という認識は、残念ながら事実でしょう。
そう思われても仕方のない、事後対応です。
ここまで記者会見の実施が長引くと?
周囲の不信感は、どんどん大きくなる可能性が高いです。
遺族全員を回って
納得を受けてからやる
と説明している、三幸製菓。
「やっと一歩前進」
とコメントされた、ご遺族。
ご遺族への説明は当然ですが。
死亡火災事故が発生した事業所で、今後も働く従業員の方にとっても。
このまま稼働して大丈夫なの??
また火災が起きるんじゃない?
という不安を払拭しないと、経営の継続は難しいのでは?
それに、もし仮に。
火災事故以外で。
三幸製菓において、健康に影響するような異物混入などのトラブルが発生したら?
同じような対応をするのでしょうか?
そんな懸念も発生してしまいますね。
このままだと、三幸製菓を志望する人材も入ってこない可能性も高いでしょう。
引き続きの復旧を願うばかりです。
↓あわせて読みたい↓
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。