WBCのアメリカ代表って、
意外と弱い??
そんなアナタの疑問にズバリお答えします。
2023年WBCの決勝戦では、日本代表に敗れたアメリカ代表。
アメリカといえば、世界最高峰のメジャーリーグがある国ですからね。
明らかに「世界トップレベル」の良い選手がそろっているハズですが、なぜWBCでは圧勝できないのか・・・
世間の声を踏まえて、詳しい情報をお伝えします。
【2023年】WBCアメリカ代表が弱い理由
では早速、本題。
WBCのアメリカ代表が弱い理由を「ひとこと」でまとめると・・・
「やる気」のあるフルメンバーではないから
と説明できます。
一体、どういうこと?
詳しく見ていきましょう!
弱い理由①:2022年で好成績の先発ピッチャーが不参加
最も「致命的」な理由は、コチラ。
2023年WBCアメリカ代表の野手には、「マイク・トラウト」や「ムーキー・ベッツ」といったトップ選手が参加していますが・・・
特に、アメリカ代表の大きな戦力ダウンになっているのは、2022年に活躍した先発ピッチャーの不在。
具体的には、以下のメンバーです。
ジャスティン・バーランダー
(アストロズ所属)
2022年ア・リーグ
:サイ・ヤング賞
:防御率1位(1.75)
ディラン・シース
(ホワイトソックス所属)
2022年ア・リーグ
:防御率2位(2.20)
【その他先発ピッチャー】
アレク・マノア
:2022年 防御率2.24(メジャー4位)
シェーン・マクラナハン
:2022年 防御率2.54(メジャー8位)
シェーン・ビーバー
:2022年 防御率2.88(メジャー12位)
マックス・フリード
:2022年 防御率2.48(メジャー7位)
アーロン・ノラ
:2022年 防御率3.25(メジャー23位)
ザック・ガレン
:2022年 防御率2.54(メジャー9位)
コービン・バーンズ
:2022年 防御率2.94(メジャー18位)
【参考】
大谷翔平:防御率2.33
(2022年 メジャー6位)
ダルビッシュ:防御率3.10
(2022年 メジャー20位)
こうして並べると、ものすごいメンバーです!
つまり、2023年WBCのアメリカ代表は、大谷翔平選手やダルビッシュ選手と同レベル、またはそれ以上の先発ピッチャー9人が不参加の状況です。
「短期決戦」で「投球制限」のあるWBCにおいて、レベルの高い先発ピッチャーが少ないのは、アメリカ代表にとって致命的ですね。
逆に、全員出てたら
恐ろしい・・・(汗)
国によって、温度差がありますね。
さて、ここで質問です。
アナタは、「野球はピッチャーで決まる」という考え方をご存知でしょうか??
え?本当に??
そう思われたアナタに、あえて極端なクイズを出しますね。
【チームA】
ピッチャー1名:大谷翔平
野手8名:甲子園球児
【チームB】
ピッチャー1名:高校球児(県大会レベル)
野手8名:侍ジャパン
【チームA】と【チームB】が試合をしたら、どちらが勝つと思いますか??
野球のルール上、どんな1流のバッターでも、大谷翔平選手レベル(2022年シーズンの防御率2.33)のピッチャーがベストピッチをすると、簡単には点を取られません。
多少打たれたとしても、甲子園球児の野手なら、プロ相手でも(ある程度)守り切ることができます。
逆に、ピッチャーが平凡な高校生だったら?
甲子園球児の打線であれば、(当然プロには見劣りしますが)ヒットを量産できるでしょう。
そんな状況では、いくら侍ジャパン選手の守備が上手くても、失点しないのは不可能です。
このように考えると、野球におけるピッチャーの重要性は明らかです。
弱い理由②:トップレベルの野手も不参加が多い
2022年メジャーリーグの野手部門で、打率が高い選手ベスト10を並べると、以下の通りです。
順位 | 選手名 | 国籍 | 2023 WBC出場 | 打率 | 本塁打 | ポジション | 所属チーム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ジェフ・マクニール Jeff McNeil | アメリカ | ◯ | .326 | 9 | 内野手 外野手 | メッツ |
2 | フレディ・フリーマン Freddie Freeman | アメリカ カナダ | ◯ カナダ代表 | .325 | 21 | 一塁手 三塁手 | ドジャース |
3 | ポール・ゴールドシュミット Paul Goldschmidt | アメリカ | ◯ | .317 | 35 | 一塁手 | カージナルス |
4 | ルイス・アラエス Luis Arraez | ベネズエラ | ◯ | .316 | 8 | 内野手 外野手 | マーリンズ |
5 | Aaron Judge | アメリカ | ー | .311 | 62 | 外野手 | ヤンキース |
6 | ザンダー・ボガーツ Xander Bogaerts | オランダ | ◯ | .307 | 15 | 遊撃手 | パドレス |
7 | ヨルダン・アルバレス Yordan Alvarez | キューバ ハイチへ亡命 | ー | .306 | 37 | 一塁手 外野手・DH | アストロズ |
8 | ホセ・アブレイユ Jose Abreu | キューバ ドミニカへ亡命 | ー | .304 | 15 | 一塁手 | アストロズ |
9 | Andrew Benintendi | アメリカ (イタリア系) | ー | .304 | 5 | 外野手 | ホワイトソックス |
10 | Nathaniel Lowe | アメリカ | ー | .302 | 27 | 一塁手 三塁手 | レンジャース |
39 (参考) | 大谷翔平 | 日本 | ◯ | .273 | 34 | 投手 DH | エンゼルス |
2022年「野手部門」打率ベスト10以上で「アメリカ国籍」の選手は、5名。
その5名のうち、WBCアメリカ代表に参加したのは、2名(ジェフ・マクニール|ポール・ゴールドシュミット)しかいません。
特に、年間62本のホームランを打って2022年のMVPを獲得した、アーロン・ジャッジ選手(ヤンキース)が参加しなかったのは、アメリカ代表としては大きな痛手だったでしょう。
↓参照先↓
アーロン・ジャッジの筋肉ってどんだけ?トレーニングの重量がヤバすぎ!
弱い理由③:デローサ監督の「指導者」としての経験不足
Penn’s Mark DeRosa has worn many hats in his athletic life. This month, he adds a new one: manager. https://t.co/pWC15BIgZR
— The Philadelphia Inquirer (@PhillyInquirer) March 10, 2023
生年月日:1975年2月26日(48才)
身長/体重:185.4cm/97.5kg
出身:アメリカ・ニュージャージー州
右投・右打
ポジション:内野手・外野手
所属チーム:ブルージェイズ
(2013引退)
マーク・デローサ氏は、2009年のWBCにアメリカ代表として出場し、ベスト4のメンバーになっています。
また、サンフランシスコ・ジャイアンツの選手だった2010年には、ワールドシリーズを制覇したメンバーにもなっています。
さらに、2013年に現役を引退後は、MLBネットワークの番組で9年間司会を務めているほどの「野球人」です。
こうして見ると、「選手」としての経験は十分ですが・・・。
「指導者」として見た場合、日本ハムでも監督経験がある、2023年WBC日本代表の栗山監督と大谷翔平選手ほどの長年の深い関係性は期待できません。
他にも、2006年・2009年のWBCで優勝した日本代表の監督は、プロ野球でも監督経験のある王貞治氏と原辰徳氏でしたからね。
短期決戦のWBCで勝利するには、選手個人の「能力」だけでなく、「チームワーク」や「監督との信頼関係」が必要。
プレーヤーとしては優秀だったデローサ氏も、監督経験が全くないまま、いきなりWBCのアメリカ代表監督を務めるのは、さすがにキツイでしょう。
弱い理由④:日本ほどWBCが盛り上がっていない
日本でのWBC人気をご存知のアナタにとっては、意外な情報かもしれませんね。
アメリカのテレビ放送(Fox)では、WBCグループ予選(アメリカ代表 VS イギリス代表)で平均159万2,000人の視聴者数を記録。
引用元:Dodger Blue
この人数を聞くと、とても多いように聞こえますが・・・日本の場合、2023年3月16日に放送された「日本 VS イタリア」戦の関東地区の平均視聴率は、世帯48.0%と報告されています(ビデオリサーチ社調べ)。
そして、関東地区の視聴率には、こんなデータもあります。
関東地区の視聴率1%は、
引用元:Switch MEDIA|視聴率とはどのようなものか?視聴率1%の人数や測定方法を解説
およそ38万人
つまり、計算すると・・・
38万人 * 48% = 1,824万人
日本のWBC視聴者数は、少なくともアメリカの10倍以上多いという試算になります。
「連日満員」だった、東京ドームでの日本代表の試合と比べると、注目度が落ちますね。
WBCアメリカ代表としても、モチベーションが下がる要因になったのでは?
実際に、アメリカのフロリダ州(タンパ)に住んでいる、ワタクシの同級生に聞いてみた所、こんな返事がありました。
侍ジャパン VS メキシコ代表の準決勝が行われるローンデポ・パーク(マイアミ)も、同じフロリダ州にあるのですが、車で3時間離れた距離からは、WBCの熱気は伝わってきていないようです。
WBCで騒いでいるのは、日本だけ!?
弱い理由⑤:世界ランキング3位
これも意外なデータですが・・・
🎉 Happy New Year!
— WBSC ⚾🥎 (@WBSC) January 1, 2023
📊🌏⚾ New Men’s Baseball Rankings released!
🇯🇵 Japan remains as world No 1 men’s baseball programme!
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しかもアメリカ代表は、直近3年間のランキングで一度も1位になっていません。
2021年12月31日:5位
2021年8月11日:4位
2021年6月28日:4位
2020年3月18日:2位
アメリカ代表は、2017年のWBCでは優勝しましたが・・・それ以降の各世代の育成がうまく進んでいなかった?
そんな考察もできますね。
↓参照先↓
WBSC世界ランキング 野球男子
弱い理由⑥:WBCの賞金が安く、選手のモチベーションが低い?
と思いたいところですが・・・アメリカのメディアには、こんな「生々しい」書き込みもあります。
彼らが有利な長期契約に署名した場合は別ですが、フリーエージェンシーが間近に迫っている状態で毎年行っている場合、なぜチャンスをつかむ必要がありますか?
引用元:USA TODAY
つまり、WBCの大会は、アメリカ代表に参加しなかったメジャーリーグの選手たちにとって、「お金にならない」と考えられている可能性があるということです。
しかも、MVPの賞金は「0円」
数十億円以上の年棒を稼ぐメジャーリーガーとしては、WBCで怪我をしてシーズンをムダにするリスクを考えるのは、仕方がないのかもしれません。
やはり、稼げるうちに稼いでおきたいですし。
↓あわせて読みたい↓
WBCのMVP賞金【2023年】最有力の大谷翔平、驚きの額はいくら?
弱い理由⑦:メジャーリーグ開幕前に、怪我をしたくないから?
いわゆる「本音と建前」ってヤツです。
実際に、こんなコメントがありました。
ミルウォーキー・ブルワーズのサイ・ヤングの勝者であるコービン・バーンズとアリゾナ・ダイヤモンドバックスのエースであるザック・ギャレンは、オファーを辞退する理由として負傷のリスクを挙げた
ワールド シリーズの後に WBC でプレーした場合、プレーヤーは 6 か月の長いシーズンに疲れ果てており、必要以上にシーズンを延長したくありません
引用元:USA TODAY
プエルトリコの守護神「エドウィン・ディアス」(5年契約:約153億円)が、2023WBCの準々決勝進出が決定した後にチームメートと輪になって喜んだ際に、右ひざを負傷して半年以上の大怪我をしてしまった実例もあります。
選手たちにも生活がありますからね。
メジャーリーグのシーズンが始まる前にけがをしたくない!という気持ちは、良く良く理解できます。
【世間の声】WBCのアメリカ代表が弱い!
・中継ぎは良いけど、やっぱり先発がちょっと弱いな
・アメリカ代表もしかして弱い?
・WBCアメリカ代表、投手力は他の南米諸国に比べて弱いらしいし、相手ピッチャーが良いと結構苦戦しそうだな
・やっぱピッチャーが弱いんやな
引用元:ツイッターより
アメリカ代表が、2023年3月13日の予選でメキシコ代表に「11-5」で敗れた試合に対するコメントですね。
WBCのアメリカ代表って、実は弱い??
と気になっているのは、アナタだけではないようです。
逆に考えれば・・・「打線だけ」で勝利しているアメリカ代表って、すごいですね(汗)
まとめ
WBCのアメリカ代表が弱い理由について、詳しくお伝えしました。
まとめると、以下の通りです。
- 上位の先発ピッチャーが不参加
- トップレベルの野手も不参加が多い
- デローサ監督の経験不足
- 日本ほどWBCが盛り上がっていない
- 世界ランキングが3位
- WBCがお金にならない
- シーズン前に怪我をしたくない
そう考えると、こんな状況でWBCの予選を突破できるアメリカ代表の選手層って、恐ろしいですね!!
不参加を決断した選手の事情も良く理解できるので、なんとも言えませんが・・・
(アメリカ代表とは関係なしに)それでも、国の名誉のために戦った選手達に敬意を表したいですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!