WBCの中国代表は、なぜ弱い?
そんなアナタの疑問を解決します。
WBC中国代表は、2023年3月9日に行われた日本代表との初戦でも、1-8で大敗。
中国って、卓球やバドミントンといった「個人競技」は強いですが・・・「団体競技」の野球は、実際に弱いイメージがありますよね。
2023年最新の世界ランキングを踏まえつつ、「中国のリアル」をお伝えします。
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野球のWBC中国代表が弱い理由は?
では早速、本題。
理由は、大きく5つあります。
①:2023年の世界ランキングが低い
まずは、2023年1月2日に発表された、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)の「世界ランキング」が全てを物語っていますね。
さあ、アナタも探してみましょう・・・
🎉 Happy New Year!
— WBSC ⚾🥎 (@WBSC) January 1, 2023
📊🌏⚾ New Men’s Baseball Rankings released!
🇯🇵 Japan remains as world No 1 men’s baseball programme!
🔗 Check out the details here: https://t.co/FOV9iKjyZk pic.twitter.com/biCxtZNTgA
上位の4チームは、コチラ。
1位:日本
2位:台湾
3位:アメリカ
4位:韓国
さらに、2023WBCで日本と予選リーグ(POOL B)で対戦する他のチームの順位は・・・
オーストラリア:10位
チェコ共和国:15位
となっているので、中国(30位)がダントツに弱いことが分かります。
2023年3月現在、中国が台湾へ侵攻する「台湾有事」も懸念されていますが・・・野球に関しては、完全にレベル感が「逆」ですね。
ちなみに。
このレベル差を、サッカーの「FIFAランク(2022年12月22日発表)」で例えて申し上げると、以下の通りになります。
1位:ブラジル
20位:日本
30位:チュニジア
おぉう・・・・
サッカーのチュニジア代表は、決して弱いチームではありませんが。
WBSCの国際ランキングをサッカーのFIFAランクで例えると、WBC中国代表の弱い「レベル感」がお分かりいただけたかと思います。
ちなみに、
日本代表 VS 中国代表
2023年:8-1
2017年:7-1
2013年:5-2
2009年:4-0
2006年:18-2
②:中国での野球人気が低い
コチラも大きな理由ですね。
なぜ、中国で野球人気がないのか?
という疑問については。
中国本土の各方面で考察されている理由をまとめると、以下の4点です。
- 野球のルールが複雑で分かりにくい
- 野球ボールが硬くて危険
- 得点シーンが地味で分かりにくい
- サッカーやバスケ人気が圧倒的すぎる
中国人としては、あの小さな野球ボールよりも、サッカーやバスケットのゴールシーンの方が熱狂できるようです。
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しかも、本格的に野球の試合をするとなると「審判」が必要ですからね。
例えば、草野球の試合で、ルールを良く知らない人が審判をすると・・・判定に不満が爆発して、試合どころではなくなりそうです(笑)
ワタクシは、2014年から6年間、中国の北京に駐在していたので、「実体験」として良く分かるのですが・・・
確かに、中国には。
野球のグラウンドが少ない!
実際、北京や上海には、フットサル・サッカー・バスケ・アメフトのコートは多数ありましたが、野球のグラウンドは、ほとんどありませんでした。
(2017年2月撮影)
特にサッカー場は、大きな公園や学校に行けば「ほぼ必ず」ありました。
さすが、中国での競技人口が2,600万人以上と言われるだけのことはありますね。
↓参照先↓
百度百科|中国のサッカー人口
③:習近平主席が、サッカー好きだから
コチラは、世界でも有名な話ですね。
習近平はサッカー見たりやったりしてる時めちゃくちゃ楽しそうで、好きなのが伝わってくる。 pic.twitter.com/14bX66eMeU
— 松ドン (@izumisakai7777) June 28, 2019
習近平主席は、外交面でも「サッカー好き」を公言しており、2015年3月には英国王室のウィリアム王子と「サッカー談義」をするほどです。
他にも、2019年当時に外務大臣だった河野太郎氏も「習近平のサッカー好き」をエピソード付きで公言していました。
習近平主席はACLをフォローするサッカー好き。安倍総理から、外務大臣はJリーグのクラブの代表取締役だったと紹介されたので、かつてのアジアチャンピオンで、昨年もタイトルを一つ総ナメにしましたと申し上げた途端、「何というクラブですか」。湘南ベルマーレ、しっかりと主席の頭に刻まれました。
— 河野太郎 (@konotarogomame) June 27, 2019
実際に習近平主席は、「国策」として中国のサッカー大国化を支援し、2050年までにW杯優勝を目標にしています。
中国、サッカー大国化を諦めず 2050年までにW杯優勝、政策支援で国内リーグ強化
— サッカーニュースQoly(コリー) (@Qoly_Live) June 13, 2021
サッカー好き⁉️ 習近平氏 🇨🇳中国のサッカー大国化を諦めていないようです(編集部)https://t.co/tA5YFExjTS
これだけ国のトップにサッカー熱があるので、中国の国民としても「サッカーなんかよりも野球がおもしろい!」とは、堂々と発言できないウラ事情も大いにあるでしょうね。
そんな発言が目立ってしまうと、それこそ当局に連行されてしまう危険性もあるわけで。
野球を強化したくても強化できない
というのが、実際のリアルな状況かと。
「一党独裁」の中国らしい理由ですね。
④:野球の道具や施設が高価だから
中国で野球の競技人口が少ないのは、経済的な理由もあるでしょうね。
一般的に、野球道具は高価です。
野球とサッカーの道具だけを比較しても、
野球:
グローブ、スパイク、ボール、バット、ユニフォーム
サッカー:
スパイク、ユニフォーム、ボール
やはり、野球の方が必要な道具が多い分、費用が高くなります。
2010年には、日本のGDPを追い抜いて世界2位の経済大国となった中国ですが、「1人あたり」の所得は、2022年時点でも年間36,883元(約72万円程度)です。
野球はサッカーのように、ボールが1個あれば少人数でもプレーできるスポーツではないので、「とっつきにくさ」はあるでしょうね。
↓参照先↓
ロイター|中国の1人当たりの実質支出、22年は異例の減少
⑤:実力は、日本の独立リーグレベル
あとは、実際の実力ですね。
ツイッターには、WBC中国代表の実力を「独立リーグレベル」と評価しているコメントがありました。
WBCで日本の初戦の相手となる中国代表が「薩摩おいどんカップ」で、昨年都市対抗王者のENEOSに0-13(八回打ち切り)と大敗した。
— 社会人野球のミカタ📰 (@shakaijin_base) March 3, 2023
中国代表は来日後、企業チームのエイジェックに0-16、JR東日本に2-5と完敗した。
一方で、独立プロには善戦、クラブチームには勝っている。実力は独立リーグぐらいか。 pic.twitter.com/EPLIXOHFfv
中国代表は、WBC本番前に鹿児島県で行われたプロ・アマ合同の野球大会「おいどんカップ」に参加しましたが、他チームに大差をつけられて完敗。
2023年2月28日に中国代表と対戦した、大分B-リング所属(元ヤクルト)の内川聖一選手は、2023年3月5日のTBS放送「サンデーモーニング」で、「日本のピッチャーが投げる球種に対応できない」とコメントしていました。
コメンテーターで元巨人軍の上原浩治氏も、「絶対大丈夫!日本は勝てる!」と太鼓判を押すほど。
専門家の意見は、決定的!
とはいえ、油断は禁物。
あくまでも本番前の調整段階ですし、勝負に「絶対」はありません。
(2023年3月9日追記)
結果としては、中国代表は1-8のスコアで日本代表に敗れましたが、序盤の満塁のピンチを最小失点に抑えました。
コールドゲームにはならなかったので、(前評判から比べると)善戦したとも言えるでしょう。
【世間の声】なぜ中国は野球が弱い?
ツイッターでは、野球の中国代表について、様々な反応がありました。
・なんで中国ってここまで野球弱いんだろ、不思議
・中国はあんなに人口いて何故野球弱いのか?
・国家の威信!みたいなの大好きな中国が力入れないのは不思議
・これで中国が躍進してくれたらクッソおもろいな
・野球弱い国が勝つの見るの楽しいんだよな
引用先:ツイッターより
なんで、ここまで弱いの??
と疑問に思っているのは、アナタだけではないようです(笑)
人口が13億人もいるのに・・・
と不思議に思う気持ちは、良く理解できます。
そんな中で印象的だったのは、「弱い中国が活躍したら面白い!」という声です。
それでこそ、野球ファンです!
これで中国が躍進してくれたらクッソおもろいな。中国あんま好きじゃないけど野球弱い国が勝つの見るの楽しいんだよな
— tt (@tt43369960) February 8, 2023
WBC中国代表には、元ソフトバンクの真砂勇介も中心選手としてメンバー入りしています。
野球ではサッカーほど「ジャイアントキリング」が起きにくいイメージがありますが、番狂せの試合になると、盛り上がりそうですね。
中国代表の主力選手3名
2023年WBC中国代表の注目選手は、コチラ。
①:蘇長龍(スー・チャンロン)投手
生年月日:1982年1月28日(41才)
身長/体重:177cm/85kg
出身:中国 天津市
左投・左打
ポジション:ピッチャー
球種:カーブ、フォーク、スライダー
最高球速:139km/h
所属チーム:天津雄獅(2004〜)
球速130キロ台のベテラン左腕。
「技巧派ピッチャー」のイメージですね。
中国の天津生まれで、2004年から天津の野球チーム(天津ライオンズ)に所属。
東京ドームで行われたアジアシリーズ2008では、中国勢として初めての単独チームとして、大会初日の第1試合目で先発しています。
②:陳晨(チェン・チェン)4番・サード
陳晨、センター前タイムリーヒット pic.twitter.com/WKVysaIGji
— akasen (@4kasen) March 6, 2023
生年月日:1995年3月18日(27才)
身長/体重:186cm/80kg
出身:中国 江蘇省
右投・左打
ポジション:内野手
所属チーム:江蘇鉅馬(2017〜)
中国トップクラスの守備と、パンチ力のある打撃が特徴です。
中国代表には、チェン・チェンと同じチーム(江蘇鉅馬)に所属する同姓同名の陳晨(キャッチャー)がいます。
中国語のサイトでは、陳晨(大)・陳晨(小)というように、身長の違いで分けて表記されています。
ちなみに、サード(大)・キャッチャー(小)です。
③:真砂勇介(元ソフトバンク)外野手
中国代表の元ソフトバンク・真砂勇介が強化試合で2安打&強肩披露 日本戦へ「すごく光栄、ワクワクしています」 https://t.co/hch8HFqoX9 #野球 #baseball pic.twitter.com/1kB47JMhQQ
— スポーツ報知 (@SportsHochi) March 6, 2023
生年月日:1994年5月4日(28才)
身長/体重:185cm/85kg
出身:京都府京都市伏見区
右投・右打
ポジション:外野手
愛称:ミギータ
所属チーム:
ソフトバンク(2013〜2022)
日立製作所(2023〜)
日本では、最も知名度がある選手ですね。
中国出身の両親が日本に移住した後に生まれた本人は、小学校4年生から軟式野球を始めています。
50m走:6秒1
遠投:105メートル
背筋力:220kg
といった、身体能力に優れている外野手。
中国代表の主力として、
頑張ってほしいですね!!
↓参照先↓
Full-count|【2023WBC中国代表】最新メンバーリスト
中国語で「野球」は何と発音する?
最後に、おまけ。
日本語の読み方は「ばんちゅー」です。
実際の発音は、コチラ。
▶︎を押すと再生されます
©音読さん
バット=棒なので、分かりやすいですね(笑)
もしアナタが、中国の野球事情を調べたい場合は、中国の検索サイト「百度」で「棒球」と検索すると、現地の情報を収集できますよ。
PCの場合、Googleのブラウザ「Chrome(クロム)」から検索すると、画面で右クリックをすれば、日本語に自動的に翻訳してくれるので、中国語が分からなくても「ある程度」の意味は理解できるかと。
↓参照先↓
中国の検索サイト「百度」
まとめ
WBCの中国代表が弱い理由について、実際の体験を踏まえてお伝えしました。
熱戦が予想される、2023年のWBC。
中国代表は、どこまで結果を残せるか?
最後まで、怪我なくフェアプレーで頑張って欲しいですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!